では、そこで自分も修行すれば、自分も良い弁護士になれるか?と言われると、それはまた別の話である。
また、そういうベテラン弁護士に今後の展望を聞くと、特にビジョンというものはなく、現状の維持ができればよいと考えている人が多い。
要するに、ベテランは、もう逃げきれればいい段階にきているのである。
もっと言ってしまえば、未来のことなんてそこまで考えていない。
そういう老舗に入って、そのままそのクライアントを引き継ぐことができれば万々歳だが、その求心力のあるベテランがいなくなったら顧問契約を解除されてしまうなんてことが起きたら悲劇である。
新規顧客の開拓方法などを学ばずにすごしてきたのであればなおさら地獄である。
また、もう一つ上げられるデメリットを考えると、そういうベテランの人たちは、自分が慣れている業務分野以外に手を広げることを極端に嫌がる。
ある意味、特定の分野で食えていけているのだから、それ以上手を広げて苦しむ必要というものはないのだ。
そうすると、若手としては、ある特定の分野のみに偏った経験しか積むことができず、非常に偏った弁護士になってしまう。
専門性を身に着けることはもちろん重要なのではあるが、ある程度幅のある弁護士になる必要性というものも私は重要であると考えている。
その意味では、老舗のようなところというものは、危険性も多分にある。
そこで、是非聞いてみて欲しい。
今後事務所をどうしていきたいのか。業務分野はこのままなのか。
ベテラン弁護士にとってみれば、あと10年20年で済む話だが、新人弁護士はあと50年ぐらいは働くのであろうから、そこも是非考慮に入れるべきである。
まぁ事務所に頼らず独立して生きていくという気概がある人間ならば、そこをあくまで修行の場として利用すればいいだけのことであるが。
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