新興系法律事務所の特徴

新興系法律事務所と一口に言ってしまいましたが、冒頭の記事で申し上げました通り、その中身は本当にバラバラです。
ただ、新しいからみんな中身を知らず、「新興系」と一括りにしてしまっています。
ですので、この記事で書く内容に当てはまらない新興系は普通に存在するので、悪しからず。
では、いきましょう。

【給与】
昔ながらの事務所と違って、最近の事務所はHP上にはっきりと1年目の給料や最低保証額、予定年俸など表現に差があるものの公表してくれています。親切ですね。
ですので、気になる事務所があれば採用情報を見てみればよろしいかと思います。
事務所全体の業績連動で上がっていくのか、毎年50万円ずつ上がっていくのか、それは事務所によりまちまちです。
ただ1点、2年目以降の上がり方を示してくれている事務所は少ないのでそこは注意です。
1年目の給与のみを公表していて1年目の給与のまま固定されても嘘ではないですからね。笑
おおむね1年目は500万～720万程度の範囲の事務所が多いかと思われます。
低くね！？と思う人もいるかと思いますが、中堅企業法務系法律事務所で何年か働いても結局固定720万のとことか結構ありますから、案外低くないです。笑
ただ、中には交通事故専門、刑事専門の事務所等、それを上回る待遇を用意しているところもあります。
交通事故専門の事務所は、業務をかなり効率化し、処理する案件の数がかなり多いようです。ですので、自然と仕事量は増えて
刑事専門の事務所は比較的高い給与を提示しているところが多いように見受けられます。やはり、いつ何時出撃しなければならなくなるのか分からない上に、かなり迅速な対応を被疑者と協議のうえでしていかなかればならないので体力と気力が必要になってくるのでしょう。
給与が高いとその分きつくなります。（当然のことですが。）

【労働時間】
業務効率化をしているところが多く、老舗の法律事務所と比べれば短めの事務所が多い印象です。
ただ、過払いの時もそうですが、ドル箱が解禁されたときには他の事務所に負けじとそこに注力してドンドン収益を上げなければいけないので忙しくなります。
また、休みを取れないなどという事態にも陥りにくいかと思われます。
もっとも、上述した通り、刑事専門などでは迅速かつタイムリーな対応が必要不可欠になるので、仕事に拘束される割合は増えてくるでしょう。

【業務内容】
これは、本当にバラバラです。
ただ、法科大学院生や就活生のイメージだと、アディーレの印象が強すぎて債務整理ばかりやっているんじゃないの？と思われがちです。
もう一度言いますが、あくまで思われがちなだけです。
確かに5大のような大規模なディールは規模的な問題からして取り扱えません。
ベンチャー支援などの企業法務は非常に積極的に行っておりますし、普通に企業法務も扱います。
ただ、どうしても一般民事も当然に扱うような事務所が多いです。
ので、基本的には、一般民事も取り扱う覚悟は必要です。

【雰囲気】
比較的若い弁護士が代表を務めている事務所が多いので、堅苦しさはないかと思います。
それと、おじいちゃんが少なめです。
また、全体的に業務効率化を図ることに積極的なのではないでしょうか。

【ビジネスモデル】
上述の通り、業務効率化を図っている事務所が多いような印象を受けます。
また、この点が何よりの従来型との違いかと思われますが、WEBや広告を充実させてマーケティングを積極的に行う事務所がほとんどです。
考えてみれば当然ですよね。
この弁護士過多の時代に今から事務所を立ち上げるのであれば、積極的に自ら情報発信してアピールをしなければ生き残れませんから。
WEBとかにお金をかけられない人は、弁護士ドットコムとかで積極的に情報発信して自らをアピールしてますしね。
ですから、これに抵抗がある人（弁護士たるもの広告なんて格好悪い！と思う人）には、新興系はおすすめできませんね。

このビジネスモデルの弱点としては、広告費やWEBの維持費にかなりお金がかかるという点かと思われます。
悲しきかな、金をかけないと客がとれない時代になってしまったわけですね。。