自分が採用する側だったらどういう人が欲しいか

自分はどういう事務所がいいのだろう、どういうところがあっているのだろう？
皆一度は考えることだと思う。

そして、とりあえず優秀な人は５大法律事務所にあこがれ、そこに入る人が多い。
では、５大法律事務所の人たちは、どういう人間を採用したいのだろう？

採用する側は、パートナー層やシニアアソシエイト層である。
彼らは、仕事があって人手が足りないから人を雇ってやらせたいのである。

そうすると、５大法律事務所（すでに栄えている企業法務系はおおむねかな）では、
「素直に言われたことをまっすぐやりまくってくれる人」
が欲しいものと推測されるし、採用される人材を見ているとそう見える。
反対に、本来弁護士にとって重要である「営業力」のようなものは一切求めていないと言ってもいい。
つまり、自分が今儲かっていて客がいるのであれば、あとはこれを処理する人間がいればそれでよいのだ。
正直、事務所の繁栄というのは、考えているようで考えていないように思われる。

反対にだ。
そういう状況にないその他の事務所（特にもっと仕事が欲しくて事務所を発展させたい新興系）においては、若いうちから客をとれるような人の方が欲しい。
すなわち、言われたことを素直にやる人よりも、少しエッジが利いてて営業力のあるような人材の方が欲しい。

これは採用される人柄を見ているとよくわかる。
５大や大手企業法務に東大系が多いのは、東大というのはやはり官僚的文化が強く根差しており素直に言われたことをやりまくることに抵抗がなく、非常に使い勝手が良いというのが挙げられるだろう。

組織というのは必ず成長期のあとに成熟期があり、衰退期がある。
その事務所が今どこのフェーズにあるのか、自分でよく考えてから就職すべきである。
日本人は特にそうだが、皆が行っている既定路線に乗って安心する傾向にある点、注意である。