2019年9月16日月曜日

今から5大に入るということ

弁護士志望が一度は憧れるところでもある5大法律事務所

ここに今から入るということがどういうことなのか、是非一度しっかり考えてみて欲しい。

何となくみんなが目指すから正解のような気はするし、確かに、ハイクオリティの仕事と高い報酬が保障されている。

しかしながら、今から入るのであれば、基本的には、

そのうち出ていくことを前提に入る

ぐらいの気持ちでないと、これはミスマッチとなる。


すなわち、独立志向や、そのうち別の事務所でやるつもりだぜ!みたいな人にはぴったりだが、

ずっとその事務所でやっていきたいと思っている人には不向きな感がある。



また、これらの事務所は既にパートナーが飽和状態であり、単に仕事の処理をする手を動かす部隊がとにかく欲しいのである。

手を動かす人間が増えれば増えるほど、上が手を動かさずにどんどん仕事をとり、仕事をやらせ、儲かる仕組みだからである。

このような旧来型の法律事務所では、正直、

仕事をとってくるパートナーが入ってきたとしても、別のパートナーが儲かるというわけではなく、

その意味では、別のパートナーの存在というのは、事務所の利益にはなれど、その他のパートナーの利益になるわけではない。

Tを除く4大は、あくまで個人事業の集まりで、合併によってたまたま大きくなっただけなので、

やはりまだ事務所のためというよりは、自分自身のためという感が強く、その意味で、

事務所の繁栄、すなわち、パートナーの増加というものは特に望んでいるわけではないように思われる。

ただ、あまりにパートナーになれない場合、誰もそのような事務所を希望するわけもなく、やむなしにパートナーを徐々に増やしている状況といってもいいかもしれない。

じゃあTならそんなことなく大切にされていくのか?と言われれば、確かにその一面はある。

しかしながら、そのような組織は、使えない人間も保護せざるを得ず、使える人間、稼ぐ価値のある人間が我慢をするという事態に陥る。

これが、ミドルのアソシエイトが抱える不満であって、ミドルのアソシエイトの給与が4大に比べて低い原因であると思われる。


まとめると、

4大→個人事業の集まりで実力主義なので、能力のあるやつは残るが、そうでないやつは居場所がなくなる(ただ、NAは最近その傾向が弱くなってきて、組織としての統一性が強くなってきたように思われる。)。

T→組織としての一体性が強く、実力主義というよりはむしろ、日本の昔ながらの会社的なみんな仲良く我慢していこうという傾向がややある(その分、能力のある人にとっては不満が生じやすいかもしれないが、能力のない人が入れたら天国かもしれない。)。


何が正解とか不正解とかはない。

ただ、「無知の知」ではないが、己の実力、性格、体力等を考えて、自分にあったところに入るのがベストであり、

ただ何となくでこれらの事務所に入る時代は終わりつつあるように思われる(こいつに出世はないと判断されれば、単純な事務作業要員となり、事務処理能力訓練学校状態になってしまうので、注意が必要だ。)。

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