また、つけていなくとも、総合的な法律事務所を売りにしている事務所というのが多々存在する。
一見すると、総合的にやっている方が客をたくさんとれそうな気がするがそうだろうか?
実は、意外と集客力が弱いかもしれない。
なぜか。
市場にある商品やサービスというものは、基本的に最良の物から選ばれていくというのが通常であり、当然である。
そして、こと弁護士の世界においては、どこが最良かは正直顧客の立場からしてみればわからない。
そうすると、HPや実績等で検討するわけだが、その際、どの分野にも、ブティック化してその分野ばかりを扱っていて、実績としてその分野の大量の案件処理の情報を載せている事務所に目が付く。
「この事務所は〇〇が専門で、月にこれだけの案件を手掛けているのね、なら安心ね。」
こんな具合でまず、ブティック化してるところが頼まれやすい傾向にある。
しかも、そういうところはその分野にしか強みがないので、HP上でもそのことを全面的にガンガン押し出せる。
他方で、総合法律事務所は、何でもやっている、何でもできるとしているわけだが、こうなると、
逆に何が強いのかがよくわからない。
もしかしたら、実際は全部強いのかもしれないが、それは伝わらない。
そんなわけで、比較検討されたときに、どうしても2番手、3番手等に陥りやすい。
だが、ブティック事務所にも処理能力の限界があるので、そこがキャパオーバーになれば、その2番手、3番手が仕事を貰える。
だったら、ブティック化している方事務所が良いのではないか?そう簡単ではない。
その分野に需要があり、かつ、競争相手が多すぎない場合にはそれでよいだろう。
しかし、その分野自体に陰りが見え始めたとき、途端に潰れてしまうリスクはある。
また、それ以外の分野の経験、実績が積めなくなってしまうのでつぶしはききにくい。
あと、飽きっぽい人は飽きてつまらなくなるかも。。
でもまぁ、弁護士がこれからも増え続ける場合、アメリカのようになり、皆が超ブティック化するのかも?しれませんね。
また、総合法律事務所のメリットとしては、一度依頼を貰ったクライアントの信頼を得た場合、あらゆる分野に対応できるがゆえに、その後もあらゆるサービスを継続的に提供しやすいという点が挙げられる。
このように一長一短である。
どちらが良いとは一概には言えない状況であるので、就職する際、事務所を立ち上げる際にはこれらの点を良く考えるべきである。
まとめると、
ブティック→時代の流れに乗れればウハウハ
総合法律事務所→ウハウハしにくいが、ブティックに比べれば安定、大規模化しやすい。
現在波に乗っているのは、ベンチャー支援のブティックかと思われる。
(ここからは、あくまで超個人的な考えだが、離婚、相続というのは今後も永遠になくなることのない分野である上、マーケットも大きい。しかも、一件当たりの報酬も悪くない。それに加えて人間の感情的な要素というのも非常に加味しなければならないので、AI等による自動化、代替化も進みにくいと考えられる。離婚や相続ブティック、結構良いんじゃないか、、)
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