そこで、様々な法律事務所が存在する中で、それぞれの事務所の分類ごとに、
長期的視点から将来のビジョンというものを考察していきたい。
【5大法律事務所】初任給、その後の給与に関しては、トップクラスであるものの、「その後」に到達するのが大変である。
すなわち、「めちゃくちゃ働く代わりに、1000~2000万は保障されている。もし20年ぐらい残れれば富豪になれる」というのが特徴である。
他方で、めちゃくちゃ働いているのにこの程度か、と、納得感を得ない人も多いのが事実である。
また、今から入って最後までいることができるのかということを考えると、かなり難しいように思われる。
むしろ、これらの事務所への就職は、経験を積んで独立する、あるいは転職することを前提とした就職の方が向いているように思われる。
【準大手法律事務所】
準大手法律事務所は、離職率も低く、超激務ではないため、その定着率は高い。
しかしながら、あまり給与がはねないという特徴がある。
また、労働時間も決して短いわけではなく、5大に比べて楽なのかと言われると、そんなことはない。
ただ、ある程度主体的に裁量をもって働くことができる点で、定着率が高いのであろう。
長時間労働ではあるが、ある程度落ち着いてやりたいという人には向いている。
また、普通に転職やインハウスへの転向もできるため、堅実に無理をせずやりたい人にはお勧めである。
【中堅、街弁】
中堅、街弁への就職こそ、一番のブラックボックスであり、正直当たり外れが激しすぎる。
入ってみないことにはわからないところが多く、一般論を申し上げるのが難しい。
ただ、今後弁護士が増えていく時代、昔ながらのやり方で生き残れるのかは疑問を差し挟まざるを得ない。
また、仕事量も多いところは普通に多く、深夜まで働くし、逆に、とっとと帰れるところはその分給与がかなり低い。
料理は、美味しければ人が集まるが、弁護士は、いくら良い書面を書いてもそれは正直外部の人間からはなかなか評価ができず、良い仕事をするから繁盛するとは限らない。
小さな商店であっても力があれば生き残れる!自分は自分の力で生きていくんだ!
そう思う人には、ぴったりであろう。
【新興系】
新興系は、今、実権を握っている古株たちからは疎まれる存在で、悪口を言われるため、やや肩身が狭いというデメリットがある。
もっとも、集客にネットをうまく使い、事務効率も上げているところが多いことから、そう簡単に潰れることはない。
また、ビジネスとして割り切り、うまくいっているところが多いことから、給与も普通の街弁以上のところが多い。
加えて、やり方がうまいので、仕事も激務ではない場合が多く、ワークライフバランスも実現しやすい。
いわば、会社と法律事務所の中間的存在(会社以上の給与と法律事務所以下の労働時間)と認識するのが一番良いと思う。
もっとも、事務効率を上げるということは、弁護士以外がかなり仕事に手を出すため、いわゆる職人を目指すのであれば、あまり向いていないかもしれない。
職人として自分一人では生きていけないなんて嫌だ!とか思うかもしれないが、商社に勤めている人だって大半は、一人では生きていけない。
弁護士人口が増え、事務所の数が増えた今、ある程度の組織の中でやっていかざるを得ない時代に到達しつつある。
せっかくこのブログを見たあなたは、
時代の変化を受け入れ、一歩未来を見て就職先を決めるべきである。
昔の価値観を押し付けられても、それを跳ね返し、新しい時代を作っていこう。
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